ソウル照覧

ソウルシリーズと趣味の民俗学・歴史等を考察しているブログ

【ダークソウル考察】五行思想で考察する、グウィンは本当に太陽の王だったのか?説~5~

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グウィンは火継ぎによって創造の理を書き換えた。

五行説では木から火が生ずる。木が火を得るには燃料になるしかない。

 

筆者はダークソウルの世界の理も、概ね五行説に沿っているものと考えている。

 

この根拠については、いずれ他の記事で書いていくつもりなので、

詳しいことは割愛するが、五行説で言えば、火の時代はまさに火行を指している。

 

筆者の考える、ダークソウル世界の時代の流れは以下のようになる。

 

グウィンが火の時代を興す(木→火)→火の時代(火)→火が陰り灰が跋扈する(火→土)

 

ダークソウル世界の成り立ちが五行思想に沿っているならば、ここでも火を得るには可燃物が必要である。

 

つまりグウィンが太陽の神ではなく、木行に属する雷の神であったなら、火を得る方法は己を火に焼べるしかない(木→火)。それが世界の理である。

 

五行に関して言えばもう一つ、グウィンが木行(雷)の神である可能性を

補強する論拠として挙げたいのが、

ダークソウル2に登場する愛しいシャラゴアのセリフである。

 

「見栄っ張りの嘘つきで、最後は自分を火の中に放り込んだ。

確かそうね、今は『熔けた土』になってるはずよ」

 

これは<古き王のソウル>を持つ<鉄の古王>についての言及だが、ここで注目したいのが、『熔けた土』というワードである。

 

深淵なるソウルシリーズの考察を展開している ACID BAKERY氏

<鉄の古王>を<はじまりの火>に焼かれた大王グウィンの成れの果て、としている。

 

こちらの説は4つの大いなる存在が、何らかの理由で

形を変え、登場しているというものである。

 

氏の説を参考にしつつ、筆者なりに五行説を用いて考察したのが、

以下のようなグウィンの顛末である。

 

ダークソウル1開始以前に、最初の火の炉で薪となったグウィンが

火に焼かれた後、『熔けた土(鉄の古王)』という存在になったというわけだ。

 

実はこの流れ、よく見てみると五行の木→火→土の流れにピタリと当てはまる。

 

あくまでグウィンを木の神と仮定した場合だが、

 

<太陽の光の王グウィン(木行の神・雷神)>=

<薪の王グウィン(火継ぎ後)>=

<溶けた土→鉄の古王>=

 

という具合に、グウィンが<火継ぎ>をした後の経緯が、五行の流れと

奇妙に一致することがわかるのである。

 

これでまた、グウィンが本当に太陽の光の王であったのかを疑う材料が揃ったわけである。

 

ちなみにダークソウル1最後の舞台である『最初の火の炉』で、グウィンに火が着いているのは、薪として燃えているからであって、グウィン自身が火を生み出しているのではない。

 

文字通り薪に火が着火している状態なのである。

 

創造の理が呪われたことで、薪(人柱)のループが始まった!

筆者は<火継ぎ>の成り立ちをこう考える。すなわち<火継ぎ>とは

火を得るため、世界の理に則って雷の神グウィンが作りだした呪いだった。

 

グウィンが世界にかけた<火継ぎ>による呪いの概要は以下のようになる。

 

火の時代は<はじまりの火>が燃え盛ることによって、実現する世界である。

 

世界の源となる<はじまりの火>で、薪(木・雷)の神が世界を新たに生み出した。

 

結果、 五行の流れと同様に輪のごとく循環していた創造の理も、木→火(木が燃えることで火の時代が創られる)のままで繋ぎ止められてしまった。

 

それ以降、これまで木火土金水のループだった創造の理が、<火継ぎ>の呪いによって"薪として火の燃料になる" と新たにプログラミングしなおされ、その上で世界が回りだしたのだろう。

 

ダークソウルにおける創造の理が、<火継ぎ>の呪いによって書き換えられた顛末を、より簡潔に表記すると以下のようになる。 

 

元来の創造の理(時代の理)

木→火→土→金→水の順にループ

<火継ぎの呪い>

創造の理(時代の理)が

木→火で永遠にループ

※火が衰えるごとに薪を足す

 

このようにグウィンは五行の流れを

木→火で永遠にループするよう仕組んだ。

 

要するにグウィンによる<火継ぎの>呪いとは、創造という巨大な

世界プログラムを書き換えるウィルスのようなものである。

 

ロスリックのテキストにあった"まさに火継ぎとは呪いの道であろう"

という文言、そして王子ロスリックが今わの際に呟いた

 

「灰よ、心しておくがよい

 貴公もまた、呪いに囚われているのだと…」

 

というセリフ。これらは<火継ぎ>が

火の時代を継続させるために、グウィンが生み出した呪いという意味も

含まれていたのではあるまいか。

 

王の薪(王子ロスリック)のテキストより

王子ロスリックが残した王の薪

 

王が玉座につかぬならば

その薪をつかせればよい

 

資格者を求めたロスリックの血の営みは

やがて人を外れ、おぞましい所業と堕した

正に火継ぎとは呪いの道であろう

 

こうしてグウィン以降、火継ぎをする者たち全てが薪となるハメになったのだ。

 

「かつて光の王となった者は、人という名の闇を封じ込め…

 そして人は仮初の姿を得た
 それこそが、この世の理のはじまり」

(ダークソウル2:アン・ディールのセリフより)

 

~次回に続く~

 

※ダークソウルの解釈はこれが正解というものがなく、どう解釈するかは個人の自由です。あくまで一つの考察としてお楽しみください。