【ダークソウル考察】天使の正体はサリヴァーンだったかもしれない説~10~
世界蛇に似た天使像と獣姿の世界蛇像
世界蛇に似た天使像はロスリック城の竜狩りの鎧と遭遇するエリア、または大書庫の篝火近くに配置されている像である。
顔形はシリーズでお馴染みのフラムトとカアスなのだが、それに衣服を纏い、羽が付いているという衝撃的な姿のおかげで、非常に高い知名度を誇っていると言える。
この像は世界蛇に羽が生えたような姿をしているので、聖女ゲルトルードが見えた
<天使>とは世界蛇なのではないかという説もある。
その可能性もあるが、この像についてもう1つの可能性を挙げておきたい。
一見、世界蛇像は両側に羽が生えているように見える意匠をしているが、
それは蛇に羽が生えているのではなく、纏っている衣装の一部、装飾である可能性も考えられるというものである。
また、世界蛇に似た天使像は<天使>そのものとして結論付けるには、実のところ大きな問題がある。
それはなんなのかというとこの世界蛇の像、天使信仰における最も重要な信仰の対象と言うには、あまりにもありがたみが無さすぎるのである。
天使信仰というからにはこの宗教における、言わば御本尊というべき存在はもちろん天使だと言える。
ここで一度思い出して頂きたいのが、世界蛇像の配置の仕方である。というのもこの像は天使信仰の本尊というには、あまりにも多すぎるのである。
ロスリック内に存在する世界蛇の像は、竜狩りの鎧と闘うフィールド上などに複数配置されている。
筆者はこの点に注目してみた。古今東西の宗教に共通する点として、
たいてい御本尊・御神体となる神はその場所ごとに唯一の存在として祀られる。
祀る神の眷属であるならば日本でも大量の眷属を配置する例もあるが、やはり祀る神は別格扱いで祠や祭壇に配置するパターンが多い。
信仰において天使が最も尊い信仰対象であるなら、その像をましてや通路などにやたらめったら量産して並べるだろうか?
演出的に信仰対象のありがたみが半減どころか薄っぺらくなること請け合いだ。
そして天使信仰というからには、この信仰の対象は<天使>のみという場合も充分考えられる。そういった一神教的な性格を帯びている場合で考えても、この世界蛇の配置はやはり妙だ。
我々の世界における一神教でも、基本的に神の子や聖母の偶像を、量産して通路の脇に並べることはしない。
一神教でそういった配置となるのは、神の使いとしての天使、
あるいは殉教した等の理由で聖人として認められた人物である。
そのように見ていくとある1つの推論が浮かび上がる。この天使を意識した世界蛇の像は、本尊ではなくむしろ眷属、あるいは天使信仰を説く司祭のような立場にあり、それを象ったものではないかと。
そうなるとこの「世界蛇に似た天使像」は、天使そのものではなく天使信仰の布教に世界蛇が関わっていたことを示唆している可能性も考えられはしまいか。
~次回に続く~
※ダークソウルの解釈はこれが正解というものがなく、どう解釈するかは個人の自由です。あくまで一つの考察としてお楽しみください。