ソウル照覧

ソウルシリーズと趣味の民俗学・歴史等を考察しているブログ

【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~14~

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<神の枷>の正体は<死の枷>だった

人間が本来の能力を封じられたのは、椎骨に<枷>としての細工がなされたからである。

 

本来の能力とは当然<不死>を指す。つまり椎骨への細工で課せられた

<神の枷>とは、転じて人間に死をもたらす<死の枷>なのである。

 

墓王ニトのテキストより

あらゆる生の死を司る墓王ニトはその力のほとんどを死に捧げている

それでもなお、そのソウルは大きく王の器を占めるに足るものだ

 

上記のテキストによるとニトは「その力のほとんどを死に捧げている」という。

 

それは全ての人間に死をもたらす<神の枷>を嵌めているとも解釈できる。

 

以上の情報からも、人間に枷を課す細工を行っていたのは、

ニトであったと筆者は考察する。

 

ニトは死を司る。これ以上、人間に<死の枷>を填めるのに適した

権能を持つ神はいないというわけである。

 

これによってグウィンとニトの相関図も、より明確に浮き彫りになる。

 

筆者は先程、グウィンとニトが協定を結んでいたと考察した。

 

グウィンは死を司るニトの権能を借りて、人間に<神の枷>を施し、

本来の不死の力を封じていたのである。

 

よって世界にダークリングが現れた根本的な理由は

おそらく「火が陰ったから」ではない。

 

もっと焦点を絞って言うなら、「ニトが不死の封印をしなくなったからダークリングが現れた」のである。

 

人が死ななくなったのはニトが眠ってしまったからだった

こうしてグウィンとニトの両者の関係、そしてなぜダークリングが現れ人間が亡者化したのか、それらの事情が覗える情報が出揃った。

 

これによりグウィンが何を以て、ニトの協力が望めなくなったことを

悟ったのかも考察することができる。

 

答えはすでに我々の前に出ていた。ダークソウル1の巨人墓地で遭遇する墓王ニトは、棺の中におり全く活動を停止している。

 

先に述べたように世界にダークリングが現れ、人々が亡者化したのは、このようにニトが眠ったからである。

 

つまりニトはグウィンから託された仕事を放棄した。即ち協定の破棄である。

 

ニトの名前はこれに掛けた宮崎Dの言葉遊びだったのかもしれない。

 

眠りについたニトはグウィンにとって用済みとなった

話をまとめると、これまではニトが協定に基づいて人間に

<神の枷>を嵌めていたことで、グウィンは人間の本来の力である<不死>を封じていた。

 

しかしニトが眠りについたことによって、人間に<枷>を嵌めることが

無くなったため、世界にダークリングが蔓延し、人間の亡者化が始まった。

 

それによってグウィンはニトの裏切りを悟った。ニトによる

一方的な協定の破棄という形だったので、グウィンはこれ以上の協力は得られないと判断したというわけである。

 

グウィンにとってニトはもはや味方では無くなった。

 

<火の時代>とは言ってみれば、人間に枷を嵌め、神々の下に置くことで成立する支配体制ありきの事業である。

 

人間に枷を嵌める気が無いなら、グウィンにとってニトはもはや用済みである。

 

フラムトのセリフより

 「目的のソウルを持つものたちは何れも、既に役目を終え、あるいは道を誤っておる」

 

 王のソウルを持つ者について語るフラムトのセリフには、役目を終えたという文言も見られるが、

 

これは"ニトがグウィンにとって用済みになった"という意味にも取れる。

 

とはいえ実際にはそれどころの話ではない。ニトが眠ることで人が死ぬのは神々の仕業だったという真実に誰かが気づけば、神族の立場はどんどん危うくなる。

 

グウィンからしてみれば、ニトは決して暴いてはならない

真実を知る超危険分子なのだ。

 

場合によってはグウィンに代わって、ニトが人間たちの上に立つ存在になり得る。

 

あくまでグウィンの視点から言えば、こうなった以上<火の時代>を継続するにおいて、グウィンがニトを生かしておく理由はないのである。

 

ゆえに、だからこそ、グウィンは火継ぎの試練を利用して、ニトを抹殺しなければならなかったのだと筆者は考えるのである。

 

 

~次回に続く~

 

※ダークソウルの解釈はこれが正解というものがなく、どう解釈するかは個人の自由です。あくまで一つの考察としてお楽しみください。