ソウル照覧

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【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~17~

 

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 <神の枷>による拘束が緩和された状態こそが「亡者」だった

筆者は人々にダークリングが現れたのは、墓王ニトが自ら<神の枷>を嵌める役目を終えたからであると考察した。

 

ではニトが<神の枷>を嵌めなくなったら、その後はどうなるのか?

 

<神の枷>は人に寿命をもたらす機能があった。それを嵌めなければ人の寿命は無くなる。

 

すなわち「不死」となり死ななくなるのである。

 

そして先ほども述べたように亡者になっても人は「死なない」……つまり「人の亡者化」は<神の枷>による拘束が緩くなったことによって起きた、副産物的な現象なのではないか、ということなのである。

 

そう考えればダークリングが現れて人々が亡者し、死ななくなっても、ニトが何の対策も講じない理由がわかる。

 

死から人を解放したニトにしてみれば、予定外でもなんでもなく、人が亡者となるのも既に織り込み済みだからだ。

 

時が経てばダークリングは世界中に蔓延し、人々を「死なない存在」に変えていく。放っておけば人は元の不死なる存在に還るのである。

 

それを留めるための枷を嵌める作業をニトがやっていたわけだが、それももはや終わった。

 

言うなれば「亡者」とは、人が「不死なる存在」に還るまでの、段階的な症状の一つに過ぎないのだと思われる。

 

人を「不死」にするダークリングが徐々に広まっていった様子からして、<神の枷>による影響もすぐさま無くなるわけでは無いのだろう。

 

これもまた、人が生きながらにして自我を失ってしまう中ぶらりんな状態の説明にもなるのではないか。

 

たとえダークリングによって死ななくなっても、<神の枷>の影響が完全に消えていないことによって、肉体の寿命が中途半端に機能していることにより、肉体の衰えと同時に記憶力も衰え、結果的に生きたまま自我を失ってしまうのだと思われる。

 

思うにダークソウルの本編において、主人公となる不死以外の人々も、長い長い時を生きていたのではないだろうか。

 

本編においては既に世界は崩壊しかかっているが、それは数年の間にそうなったというよりは、より長い時間をかけてなだらかに崩れていったように思える。

 

ほとんどの人は遺体か亡者に成り果てている。すでに亡者となっている者の場合、肉体は朽ちる寸前であるもののダークリングで死ぬことができないために、結果まともな思考力を保てていないということではないだろうか。

 

そしてダークソウル開始時点では、既に多くの人々にダークリングが出現し、その効力が発揮されていたというわけだ。まさにニトの目論見どおりに。

 

~次回に続く~

 

※ダークソウルの解釈はこれが正解というものがなく、どう解釈するかは個人の自由です。あくまで一つの考察としてお楽しみください。