【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~13~
ニトの眠りは世界に何をもたらしたのか
<火継ぎ>の試練は、最終的にグウィンが散らばった王のソウルを、不死(主人公)から回収するための隠れ蓑に過ぎない、と筆者は考察する。
だがニトが抹殺対象になる理由とはなんだろう?彼がグウィンとの協定に従い、人間に枷をはめていたのであれば、ますます始末する道理はない。
だがグウィンはそんなニトを容赦なく、何も知らない不死に王のソウルを回収させる<火継ぎ>の試練に組み込んだ。
これは言うなれば、グウィンがニトとの協定を破棄したも同然である。
グウィンは火の時代を継続させ、太陽の光の王として君臨し続けることを望む。
であるのにも関わらず、人間の本来の力である<不死>を封印するために不可欠なニトからの協力を放棄した。
一見してグウィンはまるで利に繋がらないことをしているように見えるが、これらの情報から筆者はこう考える。
相手との取引を辞める理由は、大抵が良好だった関係性の悪化と、片方が取引から手を引くことを決断することによる。
たとえばニトがグウィンへの協力を金輪際拒めば、いくらグウィンにとって有益な協定であっても、協力関係は成り立たない。
つまりグウィンは何らかの出来事がきっかけで、これ以上ニトの協力が得られないと判断したのではないか。
グウィンとニトの協定破綻がダークリング出現に繋がった?
ニトがなぜグウィンとの協定を破棄したのか、その理由は定かではない(考察できた時は追記しようと思う)。
ただ、憶測という形ならば理由は、色々挙げられるだろう。
火の陰りを予見したのは何もグウィンだけではない。イザリスは火を得るために混沌の炎を生み出したし、彼らと同じく強大な神の一角であるニトもまた、時代の移り変わりを感じ取ったはずである。
単純にグウィンに代わって世界の頂点を欲したと言うこともできるし、不死の時代を望んだと考えることもできるだろう。
だがこれらの憶測に対して、残念ながら未だ明確に語れる考察を筆者は見出せていない。
しかし一つ見当を付けられることはある。
それはグウィンが何を以て、ニトが協定を放り出したと判断したのかという点である。
また、ニトとグウィンの協力関係が破綻したことによって、ダークリングが出現したのだと筆者は考察する。
ダークリング出現の根本的な原因は火の陰りでは無かった?
ダークソウルでは人々の躰にダークリングが現れ、それによって亡者化が世界中に蔓延したとされている。
多くの人はこう思っているのではないだろうか。火の時代の元となる<はじまりの火>が衰えたことによって、ダークリングが発生したと。
だがこの説は、先述した「神が人々に枷を嵌めていた」ことを前提に考えてみると破綻するのである。
神、つまりグウィンは人間がニトのように、本来不死であることを忘れさせるため、稚骨に本来の力を封じる<枷>としての機能を持つよう細工した。
この<枷>がある限り、人間は不死で無くなり、神と比べたら瞬きのような寿命を終えて死んでいくのである。
だとすれば<はじまりの火>が消えかけたためにダークリングが現れ、
人間が不死となってやがて亡者化するというのは筋が通らない。
人間がちっぽけな寿命の生き物である所以が<枷>であり、それが
火の時代の<不死でない人間>たらしめる要因とするならば、<神の枷>が外れない限り人間が不死となることなどありえない。
だったら<はじまりの火>が衰えたところで、人間が不死になるのとは
一向に関係がないではないか。
であれば、なぜ人間の不死化が始まったのか。それを今一度考えてみる必要がある。
~次回に続く~
※ダークソウルの解釈はこれが正解というものがなく、どう解釈するかは個人の自由です。あくまで一つの考察としてお楽しみください。