ソウル照覧

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【ダークソウル考察】墓王ニトは最初の<死者>にして<不死の英雄>だったかもしれない説~7~

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不死のニトは何度も火に挑み、王のソウルを獲得した

墓王ニト。ダークソウル1の開始時点では、人骨が幾重にも折り重なった姿をしているが、彼は元不死の人間であった。

 

先に述べたように、ニトは墓王となる前は「闇から生まれた幾匹か」と同じような存在でしかなかった。

 

古き時代の世界では生と死の明確な区別はなかった。だがあるとき火が熾ったことにより、様々な差異が生まれた。

 

火に惹かれたニトは何も知らぬままに火に触れた。だが火は金を剋する。その理によってニトは焼け死んだ。

 

これによって<死>が明確な形としてこの世に現れたのである。

 

だがこの時、古き時代の人は古竜と同じく不死であることも判明した。死んではまた起き上がりを繰り返すことで、人は学ぶことができる。

 

何度もコンティニューし、その度に攻略法を見出すのが人。

そう、ダークソウルの世界に挑む不死と同じである。

 

ニトもまた、不死たちと同じように死んでは蘇り死んでは蘇って、

<はじまりの火>を制する方法を探求していった。

 

ニトの詳細はほとんど伏せられ、謎だらけな印象を持っている方は多いだろう。

 

だがここまで来て、ふとこう思ったのではないだろうか。

 

「ニトは我々と似ている」と。

 

そう、ニトの歩みは、そのまま我々不死〈主人公〉とほとんど同じなのである。

 

より具体的に表すと、ダークソウルをプレイすることで、

ニトの成り立ちからニトの歩みまでを体感することができる仕組みになっているのだ。

 

つまりニトは我々不死と同じ、かつての<不死の英雄>なのである。

 

不死の視点から見たダークソウルは、いかに、どうやって、

名もなき不死であったニトが強敵を制し王のソウルを得たか、

その歴史を教えてくれるものでもあったのだ。

 

本編中、ニトについてほとんど語られることがないのは、設定が練られていないからでも、広げた風呂敷を投げっぱなしにしているからでもない。

 

そうではなく、すでに我々が自分自身の体験を通して知っているから、もはや詳しい説明は不要なのである。

 

死んでも火から蘇り、ソウルで自分を強化し、

人間性を篝火に注ぎ、亡者と生者を行き来する。

篝火を灯し、火から火へと火の間を渡り、世界を駆け巡る。

 

ニトが大いなる死の神となった経緯は、これらのような不死(主人公)らの歩みの中にあったのである。

 

~次回に続く~

 

※ダークソウルの解釈はこれが正解というものがなく、どう解釈するかは個人の自由です。あくまで一つの考察としてお楽しみください。